HUGっとプリキュア アンリについて
この作品の歪みの根本だと思っています。まず、アンリというキャラクターの登場する話は、ほぼ坪田さんが脚本です。他の脚本家のときには、ほとんど出てきません。彼はわざわざ主人公のいる学校に転校しているにも関わらず。彼女以外扱えないのか、扱わせないのかわかりません。シリーズ構成の彼女の担当する話は、どうしても物語の転換点となるものが多いです。どうしても重厚で真面目な話になります。ギャグ描写が少ない。しかも、アンリはプリキュアを導くキャラのようなのです。彼の持っている属性は、ダブルいわゆるハーフ・トップスケート選手・ほまれの友人・男性像に固執しない人物このあたりでしょうか。登場の経緯を考えれば、スケート選手としてほまれに関わっていくのではないかと思っていました。実際は、そんなことはなく、むしろ、ジェンダー論の代弁者でした。HUGプリ風に言えば、「なりたい自分になろうとするキャラ」です。まあ、説教臭いキャラになります。もっというなら、彼の意見は絶対に肯定されます。そうやって形づくられているからです。
そして、坪田さんが力を入れたというえみるとルールーがプリキュアになる話だと、キーパーソンと言ってもいいと思います。家柄に縛られたえみると呪縛から解き放つ役目を担い、その呪縛の象徴ともいえる正人とは、対立します。その役目は、誰か別の大人、もっというと誰かの親で十分だったような。さあやかほまれの親ならもっと2人との仲が深まったのにとも思います。この時点で、この作品のズレ、この作品の視聴者層ではないと気づくべきでした。
正直いらないキャラだと思います。スケートしないし、ほまれと絡まないし、この作品でわざわざジェンダー論扱わなくていいだろうとも思います。前作に、勝手に男性に見られてしまうあきらというジェンダーを超えたようなキャラがいるのに、わざわざそんな問題に首をつっこむようなキャラを作らなくても。あとは、単純に彼に割いた時間を他のキャラの描写にまわしてほしかったです。
HUGっとプリキュア はぐたんについて
正直、愛玩動物と舞台装置だなと。いればとりあえず、画面が華やぐし、困ったらアイテム出してくれるし。彼女が、赤ちゃんだからといって、物語の上で苦労があったとも利点があったとも思えませんでした。その正体は、キュアトゥモローだったようですが、もとに戻ることなく、最後は変身補助装置として役目を全うしました。
フェリーチェみたいに成長させる、あるいはシフォンみたくキーパーツそのものにするとかにすれば、もっと見どころあったのでしょうか。
薄々気づいてたけど、最終回ではなの子どもだったことがほぼ確定しましたね。そうなると未来で母親いないわ、父親と戦って負けるわで、ちょっとかわいそうだなと。変わった未来では幸せになってほしいです。でも、はなには、はぐたんの面影重ねられているし前途多難に見えます。
HUGっとプリキュア ルールーについて
もう少し敵での活躍が見たかったというのが正直な感想。ビートやパッションのように、ガツガツ敵として戦ってくれたほうが嬉しかった。勝手に潜入して、勝手に情にほだされた結果、改造され、はなと戦った印象です。
ルールーは、キャラ関係の歪みを一手に背負っているように思えます。普段はえみると絡んでいるのに、はなの家に居候。えみるとプリキュアになるのに、はなとの戦いで改心。いつも大体、ビューティーハリーにいるので、結局えみるとニコイチ。ほまれとさあやと絡んでたっけ?学校行ってたよな?敵としての活動もあんまりだったので、パップルとも仲が良さそうなそうでもなさそうな。
アンドロイドとしての描写は良かったと思いますし、トラウムとの関係も好きです。もぐもぐルールーかわいい。
HUGっとプリキュア えみるについて
好きなキャラの一人ですけど、正直いる必要あったのかと思うキャラでもあります。未来のプリキュアの詳細は遂にわかりませんでしたが、彼女とルールーというニコイチのプリキュアが明確な違いの一つです。その差別化を図るキャラといえばいいのでしょうか。そんな彼女の属性は、小学生・ことりと同級生・良家のお嬢様・ルールーと仲良しあたりだと思います。
よくよく考えると、小学生である必要性あったのか。ことりとも絡まないし、小学校に行っている描写も少なかったし。彼女におきるイベントは、兄との確執・祖父との確執あたりです。小学生じゃなくてもいいような気もします。良家のお嬢様もほまれかさあやでも問題なさそうです。
ルールーと仲良しも、はなに任せれば、彼女の描写の分を他にあたえられてのではないかなと。
あと、ルールーとのアイドルの話は、正直ひどいと思います。あれだけ、事務所に所属しないと言っていたのに気づいたら所属していました。無理やりかと思いきや、ノリノリだし。じゃあ、アイドルについて、プロについて、話があるのかと思いきや、特になく、挙句の果てにネットを見ないから大丈夫と高をくくっていたら、祖父に反対される。おままごとでもやっているのかなと思いました。
最後に、声をなくした下りは、唐突すぎて可哀想でした。すぐに戻るし。
HUGっとプリキュア ほまれについて
ほまれは、なんか悲しいキャラだなと思います。かつてはスポーツ選手で、主要キャラだとプロと言ってもいい人物でした。職業の厳しさ、辛さを知っている人物ではないか。だからこそ、挫折をしたのではないかと。しかし、そんな彼女の一面は特に焦点が当たりませんでした。かわりに、ハリーとの恋愛というキャラがあてがわれました。まあ、悪くはないですけど、そこのオリジナリティーにとって変わるほどかとも思います。恋愛関係は、描写がうまく、失恋したとはいえ、彼女の成長を感じれました。恋とスケート選手のジレンマみたいなものがあれば、もっと良かったですけど。
彼女の友人のアンリとも特に大した絡みがなかったのも残念です。謎の母子家庭もよくわかりませんでした。母は強しをやりたかったのかな。
HUGっとプリキュア 感想 さあやについて
さあやは、比較的まとまっていたと思います。ただ非常にこじんまりとしていましたけど。2世女優としての葛藤、それと医者へのあこがれ。職業体験とも絡めて非常によかったです。26話は、女優との両立を果たした母親の苦労が明かされる回であり、必見です。
さらにいうなら、それ以外の点では特に掘り下げもなく、どこが知恵なんだろうかとも思いました。調べて知恵を蓄えるからと思いきや、徐々にそんな描写はなくなり、戦いもとくに戦略的とは思えない。
HUGっとプリキュア 感想 はなについて
私は、結局彼女のことはよく理解できないまま終わりました。彼女のなりたい理想像であるめっちゃイケてるお姉さんが「なんにでもなれる自分」というのは、なんとなく想像出来ます。じゃあ、これは具体的に何なのかってなるとよくわからない。具体的に示さずにしている点が良くて、これこそが無限の未来を表していると言われるのでしょうか。かと思いきや、最終回で、なりたい自分を支えることができる会社の社長になっていたので、これが彼女の目標だったのかなと推測できました。ただ少なくとも48話までの彼女は、私には、何にでも手を出して、口を出して、中途半端にしているように見えました。その中でやりきったのは、プリキュアですけど、じゃあそれは何を意味しているのか。プリキュアをやりきったから、どんなものでもやりきれるのか。よくわかりません。また、劇中で様々な職業を体験します。それが彼女の糧になっているのかと言えば、そのようには見えませんでした。彼女の成長は、11話で終わっていて、そこからの成長は今ひとつよくわかりませんでした。
そして、彼女のキャラクター像で重要なのが、いじめにあった過去です。だから、転校してきた。そのいじめは、別のいじめられていた子をかばったから。そして、いじめを乗り越えたのかと言われると、乗り越えたようです。ただ、その解決が、もとのいじめられていた子と向き合うというものでした。それって解決してるのかと思います。事実、終盤になるまで私は、まだ解決していないと思っていました。話の作りとしては、いじめをしていた子に向き合うのか、自分の中のいじめの原因となりうるものに向き合うのかと思っていたので、拍子抜けでした。
そもそも、この要素いるのかとも思います。はじまりも、めっちゃイケてるお姉さんになりたい女の子が親の転勤の関係で転校してきて云々でいいし、そんなフワっとした目標を持っていた子が、職業体験を通して成長していくで十分だと思います。